こんにちは。歯科衛生士の石川です。今回は詰め物が取れた時の応急処置についてお話します。
ここでの詰め物はインレーと保険適用内のコンポジットレジンのこととします。
インレーとは神経までは達していませんが、保険適用内のコンポジットレジンという白い詰め物では補えない程度の虫歯に作製する詰め物のことです。
虫歯を除去して型取りをしなければならないので、最低でも２回は来院していただきます。
コンポジットレジンは特殊な光で固めていますので、１回で終わる治療です。
歯の詰め物が取れた場合ですが、もう一度付け直せる場合もありますので、捨てずに保管をお願いします。
ご自身ではめたり、接着剤で付けることはおやめください。接着剤を使っていなくても外れなくなることがあり、状態の確認ができなくなるからです。
そして外れた詰め物を持ってなるべく早めに来院してください。
歯が動く可能性や、詰め物が外れた歯は磨きにくくなっていますので長期間放置すると虫歯のリスクが高くなります。
受診するまでの注意点としましては、なるべくその歯で噛まないことや熱いもの、冷たいものはなるべく控えることです。
詰め物をしていた歯は神経の近くまで削られているため、刺激を受けやすいのです。
応急処置としてご自身で何か詰めることは危険ですので、早めに受診しましょう。
詰め物が取れる原因はいくつかあります。1つ目は「虫歯」です。
詰め物をしていると内側の様子がわかりにくく発見が遅れがちです。詰め物と歯の小さな隙間から虫歯になることもありますので、よく磨くようにしましょう。
特に保険適用である銀歯は、歯の歯質との密着性がセラミックなどに比べて劣りますので、虫歯になりやすいと言われています。
２つ目は「詰め物の劣化」です。
詰め物の材質にもよりますが経年変化は避けられません。
特に銀歯やコンポジットレジンは変形する可能性がセラミックに比べて高いです。
３つ目は「歯ぎしりや噛み合わせ」です。
歯ぎしりや噛み合わせが合っていなければ他の歯に負担がかかってしまい、変形や摩耗などの可能性があり、外れやすくなります。
取れた後の治療方法ですが、まず虫歯になっている場合は削って除去します。
コンポジットレジンで詰められる程度であれば、白いレジンを詰めて特殊な光で固めて終了です。
インレーになる場合は削ったあとに型取りをします。
インレーの種類によって少し前後しますが、当院ではだいたい１週間程で詰め物が出来あがってきますので、調整して付けます。
白い詰め物はできるのかということですが、コンポジットレジンは保険適用内で白い詰め物ができます。また、歯の色に合わせていくつか色もご用意しているので馴染みやすいです。
しかし、取れやすいことや、欠けやすい、変色しやすいなどの欠点もあります。
インレーで白い詰め物となりますと自費料金となります。
当院ではハイブリッドセラミックインレーをご用意しております。
白くてきれいですがこちらもいくつか欠点があります。変色してくることやまれに欠ける可能性があることです。ご料金は１本７万円＋消費税です。
強度を重要視する場合はゴールドインレーもございます。白くはありませんが、強度が強く銀歯よりも歯に馴染みやすいです。
ただし、金属は熱の伝わりが良いため、しばらくの間しみる可能性があります。ご料金は１本４万５千円＋消費税です。
ハイブリッドセラミックインレーとゴールドインレーは１年保証です。もちろん保険適用内の銀歯もございます。
ただし銀歯は、ゴールドインレーと同じくしばらくしみる可能性や歯との適合が劣るので虫歯になりやすいこと、審美的な面であまりよくないことが欠点です。
予防としましては、衝撃などで突然取れることもありますので、なかなか難しいのですが虫歯にならないことが重要です。
ご自身での正しいブラッシングと定期的なメンテナンスはもちろん、詰め物の内側は外側から分かりにくいのでレントゲン撮影をお勧めします。
当院では１年に１度を目安にお撮りいただいています。定期健診の際もお撮りできますのでお気軽にご相談ください。
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