こんにちは。歯科衛生士の石川です。

今回は歯の麻酔は痛い?麻酔が効いている時間は?というテーマでお話していきます。

まず麻酔には種類があることをご存知でしょうか?

歯科で主に使われる麻酔は表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔の3種類です。

表面麻酔は浸潤麻酔や伝達麻酔で歯肉に針を刺す時のチクッとした痛みを麻痺させるために使い、歯肉に直接塗布すると、数分で効いてきます。

持続時間は10分程です。

次に浸潤麻酔ですが最も歯科で使われている麻酔で、注射器で麻酔を効かせたい部位の歯肉に注射針を刺すと、個人差はありますが5分から10分で効いてきます。

持続時間は2時間から3時間程度です。

伝達麻酔は親知らずの抜歯や下顎の臼歯の治療に使います。下顎の臼歯部は麻酔が効きにくい場所になっていますので、脳から繋がっているおおもとの太い神経を麻痺させることで、唇や舌などの広範囲にわたってしびれさせます。

個人差はありますが5分から10分で効きはじめ、比較的通常の麻酔よりも長めに効きます。このように状況や部位によって麻酔の種類を変えています。

基本的には麻酔が効けば痛くはないのですが、麻酔には痛いイメージがあると思います。しかし最近では痛くないように様々な工夫がされているのです。

まず注射針が以前よりも細くなっています。

注射針は細ければ細いほど痛みを感じにくいのです。

また、体内に入ってくる麻酔の液は人肌と同じ温度、37度ぐらいの方が痛みを感じません。

麻酔の液を温める機械を置いている医院もあります。

他にもゆっくりと時間をかけて麻酔の液を注射した方が痛みを感じにくいとされていますので、先生によっては少し長いなと思う時もあるかと思いますが、痛みの少ないようにする工夫なのです。

最近では電動の注射器も出てきており、一定のスピードで麻酔液を入れる事ができます。しかし、麻酔を痛くないようにしてもなかなか効かなかったことはありませんか?

口腔内の状態や体質で麻酔は必ず効くとは限らないのです。効かない理由もいくつかありますのでお話します。

痛くなってから来院する方が多いと思いますが、炎症が強いとPHが酸性に傾くため、麻酔は効きにくくなります。

最低でも痛みが強くなる前に、できれば定期健診を受けて予防・早期発見をしていきましょう。

状況によっては、抗生剤などで落ち着かせてから日を改めて治療する場合もあります。

他の理由としては下顎の臼歯部の骨は厚いので、効きにくいです。何か所かに多めに注射針を刺したり、先ほどお話した伝達麻酔を使うなどの工夫をしています。

もちろん体質もあり、効きにくい場合や、効いてもすぐにきれる方もいらっしゃるので、効いている間にスムーズに治療をします。

麻酔をした時ですが、いくつか注意事項があります。

1.食事は麻酔が切れてからにしましょう。麻酔が効いている間は感覚が鈍っているので、間違えて噛んでしまっても気付きにくいです。治療前に食事をしておくなどの工夫が必要です。また、熱い飲み物もやけどの恐れがあるので、やめておきましょう。

2.唇は噛まないようにしましょう。

気になって噛んでしまうことがありますが、感覚が鈍っているので、ケガにつながる恐れがあります。

3.患部には触れないようにしましょう。麻酔をすると腫れたような感じになるので、気になって触ってしまうと思いますが、患部に細菌などが入らないようにするためにも、指や舌で触ったり、押したりしないようにしましょう。

麻酔をすると不思議な感じがして、つい触ったり噛んだりしてしまいますが、やめておきましょう。

特に小さなお子様や高齢者の方は注意が必要でご家族の方がよく見ておいてください。

麻酔の針は少しチクッとしますが、麻酔が効けば痛みは感じません。まれに恐怖心や痛みで具合が悪くなる方もいらっしゃるので、治療前や治療中には遠慮なくお伝えください。

ただし、炎症が大きい場合は麻酔が効きにくいこともあ

るので、早めに来院したり、定期的なメインテナンスで予防や早期発見をしましょう。

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