グルコン酸クロルヘキシジン含有含漱剤により歯肉壊死をきたした1例
という論文を見つけたため、これを引用しながらコンクールFの副作用について考えたいと思います。
詳しい内容は論文を参考にしていただければ幸いです。
【コンクールFの副作用事故例】
2003年9月 口臭が気になったため、コンクールFを原液使用した52歳の女性。翌朝、痛みを認めたため近医を受診したが、潰瘍と歯肉壊死を認めた。(以下、略)
当時の、コンクールF原液の濃度は0.36%だったそうです。希釈した際の濃度は0.0007から0.001%です。現在販売されているものは0.05%になります。
当時は当院でも扱っていましたが、患者さんに聞くと本来薄めて使うべきものを原液のまま歯ブラシに使用している方もおり、リスクがあると指導したことがあります。
当時使用されていた古いコンクールF
2004年1月からクロルヘキシジン0.05%未満の新しいコンクールFを販売して現在に至るそうです。
新しいものになってから20年以上経過しています。
【その他のコンクールFの副作用事例で気になったこと】
・原液では使用しないのはもちろんだが、含嗽以外の用途で使用しない。
・歯周ポケット内の洗浄はリスクがある。適正な濃度でも、毛細血管から吸収され副作用と思われる事故を起こした事例があるそうです。
・コンクールFの普及割合と比較すると副作用は少ない気がする。副作用の報告はあるが、全体の使用量からすると多くない気がします。
コンクールFには無関係ですが、主成分であるクロロヘキシジンが入ったものとしてオロナインH軟膏が有名です。
私も入手しやすいので、外出先で靴擦れなどになった時に利用しています。こちらは濃度が0.002%となっているようです。