こんにちは。ファーストデンタルクリニック歯科衛生士の塩島です。
今回は歯が折れた時の応急処置と治療方法についてお話ししていきます。
まず歯が折れた時の応急処置についてお話します。
硬いものを食べていたら歯が折れた、スポーツや転倒してしまい歯が折れたなど様々なケースがあると思います。
そのような場合、折れた歯を流水下で軽く洗い牛乳や生理食塩水、精製水、歯の保存液、ご自身の唾液に入れすぐに歯科医院を受診してください。
保存する液にもよって保存可能時間も異なります。
牛乳は約24時間、生理食塩水は約1から2時間、精製水は約30分、歯の保存液は約48時間、唾液は約1時間程度と言われています。
乾燥状態だと約30分程度になってしまいます。
お口の外の歯の保存には外傷歯を乾燥させることなく湿潤状態に保つことが必要です。
また歯の保存液には歯を外傷時の状態に保つこと、感染を防止する効果が期待できます。歯がぽろりと抜けてしまった場合、保存液は活用できますが折れている場合は難しいかもしれません。
身近にあるものとして、牛乳は応用価値が高いのですが最も良い状態を保つためには歯の保存液が有効的です。
また、保存液が無い場合歯が抜けた穴や唇の裏に入れて来院されるのも有効的です。
乾燥を防ぎ汚染させないことが大切です。
折れた歯は細菌が入ってしまい使えないことも多いのでお持ちいただいても必ずしも使えるとは限りません。
歯の折れ方も様々ですが起こりやすい状況の歯の折れた場合の治療方法について説明していきます。
まず折れ方によって治療方法も変わってくるのですが歯の白い部分が割れることを歯冠破折といいます。
歯の根っこが割れることを歯根破折といいます。
歯根破折は外から見ただけでは見えないので気付きにくいです。
急に痛みが出たり歯茎が腫れたりしましたら早めに歯科医院を受診してください。
では、歯が折れた時の治療方法について説明していきます。
1つ目はスポーツや転倒して歯が折れた時の治療方法についてです。スポーツや転倒して折れることを外傷といいます。
小さなお子さんで乳歯でしたら大人の歯に生え変わるので経過観察の場合もあります。
転倒などで歯をぶつけ乳歯の色が灰色でその歯だけ変色している場合は歯髄壊死を起こしている可能性があります。
乳歯は後から生えてくる永久歯にも影響を与えるので早めに歯科医院を受診して下さい。
破折などもない歯の場合は歯科用の接着剤を使用し隣の歯と固定します。
歯が欠けてしまいズキンとした痛みや歯肉の腫れがある場合は神経まで達していることもありますので早めに受診して下さい。
その場合神経の治療になります。
神経の治療は神経をとり、歯の根っこの中を洗浄しお薬をつめ、レントゲンで神経の状態を確認します。痛みは神経を取らないと治まりません。
その後土台を立て、被せものの型を取り被せ物を被せていきます。
また神経を抜いた歯は神経のある歯に比べ脆くなってしまうので硬いものを食べて歯根が折れることもあります。
その場合は歯を抜くことになってしまいます。
前歯や他の歯を抜いた場合ブリッジかインプラント、部分入れ歯になります。
一番奥の歯を抜いた場合には治療法としてはインプラントになります。
また、前歯は歯を削りセラミックといった白い被せ物を被せることもできます。
歯の神経まで露出していない歯が適応になります。
2つ目は虫歯が原因で歯が折れた場合です。
歯の折れた状態にもよりますが折れた箇所が小さい場合にはレジンというプラスチックの樹脂を詰め光で硬化させ形を整えていきます。
他には歯の折れ方が大きい場合には歯の型をとり上から被せ物を被せることもあります。
また、治療中の歯を放置し歯が弱ってしまい折れることもあります。
その歯が使えそうであれば神経の治療になり、使えない場合には抜歯になります。
被せものが取れたと思い歯科医院に受診してみると被せものの中が虫歯で歯が欠けていることもあります。
その場合は一度被せ物を外し、中の虫歯をとり歯の形を整えます。その後型取りを行い被せものを被せます。
3つ目は歯ぎしりや食いしばりが強い場合歯が割れてしまうこともあります。
歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちにしてしまうものなので気づかぬうちに強い力がかかってしまいます。
予防方法として就寝時に付けるマウスピースがあります。ナイトガードと言われるものですが当院では約3000円でお作りしています。
4つ目は酸蝕症です。炭酸水や胃液などでエナメル質が酸性に傾き
pH5.5以下になると脱灰が起きます。
そこで歯ぎしりや食いしばりが起きると歯が折れることもあるので注意が必要です。
また、定期的にクリーニングに通って頂くことで歯周病や虫歯、レントゲンを撮る事で被せ物の中の歯が折れているのを見つけたり早期発見に繋がりますので定期的にご来院ください。
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