こんにちは。歯科衛生士の石川です。
今回は「歯が揺れるときはどうすれば良いか?」についてお話していきます。
歯が揺れていることを「動揺」といいます。
歯は健康な場合でも、生理的動揺というものがあり、揺らすと微妙に揺れます。
生理的動揺は0.2ミリ以内といわれており、特に問題はりません。
しかし、0.2ミリ以上揺れていると何らかの症状が疑われます。
歯の動揺は患者様によって異なりますが、今回は大きく5つに分けてお話したいと思います。
歯が揺れる原因1つ目は、「歯周病」です。CМなどでもよく耳にする言葉なので聞いたことがあると思います。
歯周病は虫歯と並んで歯を失う原因の1つと言われています。
プラーク(歯に付いた柔らかい汚れ)は細菌の塊です。
その細菌が感染を起こすことによって炎症を起こし、出血したり、赤く腫れたりします。痛みはほとんどなく、「歯肉炎」と言われる段階です。
歯肉炎が進行すると歯周病になります。
歯と歯肉の間の境目(歯肉ポケット)が深くなり、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けていくので、歯が揺れてきます。
そうなってしまった歯を元に戻すのは難しく、最悪の場合抜歯をしなければなりません。
歯を失わないためにも、日頃から正しい歯磨きと定期的なクリーニングが大切です。
歯が揺れる原因2つ目は「歯ぎしり」です。
噛む力はご自身の体重と同じくらいと言われています。
強い力で歯ぎしりをしていると、様々な悪影響を及ぼします。
歯がすり減ったりすることでしみる、割れる、歯肉が退縮(痩せる)する、詰め物が割れるなどが起こります。
原因は様々ですが、ストレスや噛み合わせ、歯並び、癖などが考えられます。
すぐに実行できる対処法は、意識することです。
元々人間には安静空隙といって、常に上下の歯と歯の間には1?程度の空間があります。普段、口を閉じていても歯と歯は接触していないのです。
なので、起きている間は噛みしめないよう意識し、寝ている間はマウスピースを使って対処していきましょう。
当院では、歯ぎしり用のマウスピースも3000円程度でお作りしていますので、お気軽にご相談下さい。
歯が揺れる原因3つ目は「被せ物」です。
銀歯やセラミックなど種類は様々ですが、被せ物は専用の強力な接着剤で着けています。
しかし、年月が経つと歯と被せ物のわずかな隙間から
細菌が侵入し、虫歯になって内側に空洞ができ、グラグラと揺れ、折れてしまうこともあります。
外側からは被せ物で見えない為気付いた時には大きな虫歯になっていたということもよくあります。
内側の様子を確認するにはレントゲン撮影を行います。
被せ物には虫歯はできませんが、内側や歯根(歯肉に埋まっている部分の歯、歯の根っこ)はご自身の歯ですので、虫歯になる可能性はあります。
当院では1年を目安として定期的にレントゲン撮影を行ってチェックしています。
今回は5つに分けてお話しましたが、症状は様々です。歯が揺れているときは、ご自身で対処することは難しいので、はやめに来院することをお勧めします。
その際、気になるとは思いますが、指で揺れている歯を動かす、舌で押す、硬い物を噛むなどはしないようにして下さいね。
歯が揺れる原因4つ目は「歯の破折」です。破折とは歯が割れている状態です。
歯ぎしりや強い衝撃などが原因で、歯の頭の部分(歯冠)だけではなく、根っこの部分(歯根)も破折します。
また、神経が無くなってしまった歯はもろく、割れやすくなります。神経の治療は、もともと神経のあった部分に神経の代わりとなるお薬を詰め、土台で補強し、被せる必要があります。
揺れる虫歯をそのまま放置にしていたり、神経の無くなった代わりのお薬を詰める治療を行っていなかったりすると破折の原因につながります。
症状としては、痛みや違和感などがあげられます。
治療については症状や程度によって異なりますが、歯冠破折の場合は被せ物をします。歯根破折の場合は細菌による感染を防止するためにも抜歯する場合が多いです。
当院ではインプラント治療も行っていますので、歯を失った後の治療も十分に対応していますので、ご相談下さい。
定期的にメンテナンスを行っていると、1年を目安にレントゲン撮影も行っていますので、早期発見につながると思います。
歯が揺れる原因5つ目は「外傷」です。
強い衝撃が加わると、歯が揺れることがあります。
揺れの程度にもよりますが多少の揺れですと、歯肉も健康で、破折などもない場合は専用の接着剤を使って隣の歯と固定します。
部活動などでスポーツをしている学生の方などは、スポーツ用のマウスピースをすることが予防となります。
もし、歯が脱臼(抜けた場合)した場合は、流水で土などの汚れを落とし、生理食塩水か牛乳に漬けて2時間以内に来院してください。
今回は5つに分けてお話しましたが、症状は様々です。歯が揺れているときは、ご自身で対処することは難しいので、はやめに来院することをお勧めします。
その際、気になるとは思いますが、指で揺れている歯を動かす、舌で押す、硬い物を噛むなどはしないようにして下さいね。
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