歯科衛生士の菊地です。
本日も診療を行っています。

近所に、最近話題の?手ぶらで行ける
無人のスポーツジムが出来たそうで、
家の郵便受けにチラシが入っていました。

最近あまりにも体力がないので、
今なら入会金無料の文字に惹かれて
一瞬入会を考えたのですが、
まずジムに通う体力がないなと思い断念しました。

また来年くらいに改めて頑張ります。

今回のお話は、
歯の磨きすぎって言われたけど?正しい磨き方とは?
です。

当院では定期的な歯のクリーニングをおすすめしており、
歯のクリーニングの際には、
歯肉の状態を調べる検査も一緒に行います。

メインは歯肉の歯周病の状態の検査ですが、
検査をすると、歯周病の他にも
歯肉の異常が見つかることがあります。

そのひとつが、歯の磨きすぎによる異常です。
クリーニングの時に指摘された方も
いるのではないでしょうか。

歯肉はとてもデリケートです。

歯磨きを頑張るあまり、力が入りすぎてしまい、
歯の磨きすぎの状態になってしまう方が
いらっしゃいます。

具体的に、歯の磨きすぎで
どのような歯肉の異常が出るのでしょうか。

歯の磨きすぎって言われたけど?
正しい磨き方とは?についてお話しますね。

歯の磨きすぎと言われた場合、

歯ブラシを当てる時に力が入りすぎていたり、
毛先が硬めの歯ブラシで磨きすぎていたり、
不適切な大きさの歯間ブラシを当てすぎている、

などのことが考えられます。

歯を磨きすぎると、歯肉に傷ができます。
これを擦過傷と言います。

歯肉の皮が剥けてしまうと、
痛みを感じることもあります。

擦過傷は、歯の磨きすぎの症状でいうと
比較的初期の状態です。

それが続くと、歯肉がすり減ってしまい、
歯肉退縮の状態になってしまいます。
いわゆる歯肉が下がった状態です。

また、力が入りすぎていたり、硬い歯ブラシで磨きすぎると、
歯肉が、V字やU字状に裂けることもあります。
これをクレフトといいます。

一度歯肉が退縮してしまうと、歯肉は元に戻りません。

歯肉退縮すると、歯肉に隠れている歯の根元が
歯肉の外に露出してしまいます。

歯の根元が露出しているところは、しみやすくなり、
知覚過敏の症状が出ることがあります。

歯の根元は歯質が柔らかく、虫歯になりやすいので、
根面う蝕という歯根の虫歯になるリスクも増えます。

それ以外にも、歯の磨きすぎで
歯肉が肥厚することもあります。
フェストゥーンという状態です。

フェストゥーンは、歯肉の辺縁が
歯を磨く刺激に負けないように分厚くなり、
ロール状に盛り上がってしまう状態のことをいいます。

先程もお話したように、
一度退縮した歯肉は元には戻りません。

ですが、正しい磨き方をすることで、
今の状態を維持することはできます。

ここからは、正しい磨き方とは?についてお話します。

ひとつ目のポイントは、歯ブラシの持ち方です。

歯ブラシは、鉛筆と同じ持ち方の
ペングリップで持つようにしましょう。

グーで握るように持つと、力が入りすぎてしまい、
歯肉が傷つく原因になってしまいます。

利き手側を磨くときに手首を返して当てる必要があるので、
慣れないうちは少し大変かもしれません.

今までグーで握って持っていた方は、
ぜひペングリップを試してみて下さい。

ふたつ目は、自分の歯並びや歯の形をよく知ることです。

全ての歯が一切重ならず、きれいに並んでいる方というのは
とても少ないように思います。

どこかしら重なっていたり、傾いている歯がある方の方が
圧倒的に多いと思います。

歯が重なっているところ、歯が傾いているところは、
しっかり磨こうとしてつい歯の磨きすぎになりやすい所です。

歯の重なり、傾きをよく知り、その形に合わせて
歯ブラシの角度を変えたり、歯ブラシの大きさを変えて
歯の磨きすぎを防止できます。

磨きにくいところは小さめの歯ブラシの使用がおすすめです。

歯の形がよく見えるように、鏡を見ながら
磨けているか確認しながら歯磨きをすることもおすすめです。

また、歯間の広さに合っていない歯間ブラシの使用も、
歯の磨きすぎの原因になってしまいますので、
自分の歯間に合った歯間ブラシの使用も大切です。

3つ目は、歯ブラシの毛先の硬さです。

歯の磨きすぎで、つい力が入りすぎる癖がある方には、
やわらかめの歯ブラシの使用がおすすめです。

やわらかいと磨いた感じがしない、という方も
たまにいらっしゃるのですが、正しく歯ブラシが当たっていれば、
やわらかい歯ブラシでも清掃効率は下がりません。

歯を磨きすぎると、やわらかい歯ブラシの毛先が
すぐに広がってしまう方もいらっしゃるかと思います。
磨き時に力が入りすぎているサインです。

広がった毛先の歯ブラシを使い続けると、
歯の汚れが落ちにくかったり、
歯肉を傷つける原因にもなります。

ぜひこまめに新しい歯ブラシに変えてみて下さい。

歯の磨きすぎって言われたけど?正しい磨き方とは?
についてここまでお話しました。

特に、正しい歯の磨き方については、
なかなかこの文面だけでは伝わりにくいかと思います。

定期的な歯のクリーニングにいらした際など、
実際に鏡を見ながら正しい磨き方についてお話ししますので、
担当の歯科衛生士に気軽に聞いて下さいね。



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