歯科衛生士の菊地です。本日も診療を行っています。

先日、地元の山形に帰省しました。
これまでコロナ渦で控えていた、親戚同士の集まりも
今回は実施され、久々に懐かしい顔が集まっている
光景を見ることが出来て良かったです。

少し暑くなりはじめていた時期だったので、
山形県民の大好物、冷たい鳥中華も食べてきました。
変わらず美味しくて、たくさんほっとした帰省となりました。

今回は、
インプラントのオーバーデンチャーIODとは?
のお話です。

インプラントという言葉は耳なじみがあるかもしれませんが、
オーバーデンチャーという言葉については
あまり聞いたことがないという方が多いと思います。

分かりやすく言うと、
インプラントオーバーデンチャーは、
総義歯のインプラント版です。

ちなみに、見出しに書いたIODとは、
インプラントオーバーデンチャーの略語です。

インプラントのオーバーデンチャーIODについて
これから詳しくお話しますね。

歯周病や虫歯や歯の破折で歯を保存できなくなると、
歯を抜歯しなければいけません。

数本の抜歯の場合であれば、
ブリッジや、部分義歯や、インプラント数本を埋入して
治療することができますが、

すべての歯を抜歯してしまった場合は、治療の選択肢が狭く、
全ての歯の入れ歯の総義歯を入れるか、
もしくはインプラントを数多く埋入する、という方法の
いずれかの治療になります。

総義歯は、保険診療でも作成ができるので、
治療にかかる費用を比較的抑えることが出来ます。
ただし、保険診療の義歯はプラスチック製で厚みがあり、
なかなか使いにくい方も多いです。

厚みを抑えるために、義歯床が金属で作られた
自費治療の金属床総義歯もありますが、
やはり義歯なので、慣れない方にとっては
すぐ外れて気になってしまうというお話もまれに聞きます。

また、保険の総義歯も金属の総義歯も共通してですが、
歯がすべて抜けてしまっていると、歯がある場合と比べて、
総義歯を支えている骨や歯肉は、
年々痩せて減りやすくなってしまいます。

そのため、総義歯を作成した当初は使い心地がよかったとしても、
年々総義歯の吸着が悪くなったり、
総義歯が歯肉に当たって痛くなるなどの
トラブルも増えてきます。

すべての歯を抜歯してしまった場合のもうひとつの選択肢の、
インプラントを数多く埋入する治療では、
噛む力はとても安定し、安心して食事や会話もできますが、

自費治療のインプラントは、費用がとてもかかることと、
歯を支えている歯槽骨という骨が痩せすぎていると、
何本もインプラントを埋入する治療が
そもそもできないという場合もあります。

それならどうしたらいいんだろう?と悩みますよね。

ここまでお話したような、総義歯のメリットとデメリット、
インプラントのメリットとデメリットを、
もしかしたら解決してくれるかもしれない治療法が、
インプラントのオーバーデンチャーIODです。

まず、インプラントのオーバーデンチャーの構造は、
上顎と下顎に、それぞれ2本ずつインプラントを埋入し、
埋入したインプラント同士を橋渡しするような形の
アバットメントという上部構造を装着します。

その上に、内面にアバットメントが引っかかるように
加工された総義歯をパチッとはめて装着します。

インプラントのオーバーデンチャーでは、
埋入するインプラントの本数が少なく済むので、
費用を比較的抑えることができ、
インプラント埋入の手術の負担も減ります。

また、インプラントのオーバーデンチャーの形は、
インプラント上のアバットメントの構造が凸の形、
総義歯の内面が凹の形をしています。
ボタンがはまるような形を想像されてみて下さい。

インプラントの上に総義歯がカチッと引っかかるので、
総義歯の外れやすいというデメリットも、
インプラントのオーバーデンチャーであれば、ほぼ解決できます。

インプラントのオーバーデンチャーは、
噛む時や食事中には外れにくいですが、
毎日のケアの時には、総義歯のように
ご自身でカチッと外すこともできます。

毎日のお手入れは、総義歯と同じように
入れ歯を軽く磨いたり、洗浄剤できれいにして下さい。

インプラントの上部構造の周りは、
形が複雑な分、プラークや歯石も付きやすいので、
小さめの歯ブラシを使い、
丁寧に磨くことをおすすめしています。

総義歯とインプラントの悩みを解決してくれそうな
インプラントのオーバーデンチャーですが、
治療が不適応な方もいらっしゃいます。

インプラントを埋入する手術が必要なので、
糖尿病、骨粗しょう症などの全身疾患をお持ちの方は、
治療ができないことがあります。
かかりつけ医に相談が必要な場合もあります。

今、外れやすい総義歯にお悩みの方や、
インプラントの治療費が不安でお悩みの方は、
一度インプラントのオーバーデンチャーについて
検討されてみてはいかがでしょうか。

当院では、インプラントのオーバーデンチャーの
治療相談を行っています。

ご興味を持たれた方は相談にいらしてみて下さい。

他にはこんな記事が読まれています。

インプラント治療の流れは?

インプラントを入れたら老後大変になるのでは?