歯科衛生士の石川です。
今回は「歯の汚れを簡単にキレイにする方法」というテ
ーマでお話していきます。
歯の汚れというのは主にプラークです。
歯垢ともいい、細菌の塊です。プラーク1ミリグラム中
には億単位の細菌が潜んでいます。
プラークは歯の表面に付着しており、白色や薄い黄色を
しているので少しわかりにくい見た目をしていますが、
舌で触るとザラザラしているのでおわかりいただけると
思います。
プラークの形成は、歯の表面のエナメル質にペリクルと
いう薄い膜が覆うことから始まります。
ペリクルは粘着性があり、同じく粘着性のある細菌のみ
がペリクルに付着します。それが、繰り返されプラーク
は形成されます。
プラークは約48時間で石灰化し、歯石となります。
プラークはご自身で除去できますが、歯石は硬く、歯科
医院で専門の器械を使わないと除去できません。また、
プラークは粘着性があるため、お水でゆすぐだけでは除
去できないので、毎日の歯磨きが重要になります。
プラークをしっかり除去するには、正しい歯磨きが重要
になります。歯磨きは、一見簡単そうに思いますが、正
しい歯磨きは慣れるまで意外と難しいので、歯磨きの方
法をご紹介したいと思います。
まず、歯ブラシの選び方ですが、やわらかめがおすすめ
です。硬めの方が磨けた感じがすると思いますが、プラ
ークは、力を入れてゴシゴシ磨かなくても除去できます
し、歯肉や歯面を痛めてしまう原因にもなります。
また、歯ブラシはグーで握りしめるように持つのではな
く、ペングリップといって鉛筆を持つように持ちましょ
う。こうすることで、余計な力を入れずに磨けます。
ちなみに、磨くときの圧は150?200グラムと言わ
れていますので測りで体験してみて下さい。
次に磨き方です。プラーク除去に最適な歯磨きの方法は
「スクラビング法」と「バス法」という磨き方です。
スクラビング法は、歯面や歯と歯の間の汚れを除去する
ことに最適です。
1.歯ブラシを横に持ち、歯面に90度の角度で歯
ブラシを当てます。
2.毛先が寝てしまわない程度のやさしい圧で左右に小
刻みに動かします。この時、歯ブラシを動かすストロー
クは1センチ程です。
ストロークを小さくすることで、1本ずつ磨くことがで
きます。
バス法は歯と歯肉の境目である歯周ポケットの汚れを除
去することに適しています。
1.歯と歯肉に歯ブラシの毛先が当たるように、歯の側
面からみて45度の角度で歯ブラシを当てます。
2. スクラビング法と同じように、1センチ程のス
トロークで小刻みに歯ブラシを動かします。
プラークはザラザラしているので、綺麗に除去できると
舌触りがつるつるしていると思います。
汚れを除去しようとして力いっぱい磨かず、優しく、小
刻みに磨くように意識してみてください。
力いっぱい磨くと、歯が摩耗と言って削れる、歯肉を傷
つけてしまうなどの原因になりますので注意しましょう。
歯磨きを丁寧にしていただいていても、歯ブラシでは届
きにくい場所があります。それは、歯と歯の間です。
歯と歯の間は隣接面と言い、補助的清掃用具といわれる、
デンタルフロスや歯間ブラシを用いて汚れを除去します。
デンタルフロスは通すだけでなく、隣の歯面に擦りつけ
るように汚れを除去します。
歯間ブラシも同じく隣接面に入れたあと歯面に毛先が当
たるように小刻みに動かします。できれば、除去効果が
よりあがるので、歯間ブラシの針金の部分を90度に曲
げて、舌側からも入れてみましょう。
歯間ブラシはデンタルフロスよりも太いので、無理に入
れないよう注意してください。
歯ブラシで除去できない汚れは歯石や着色がほとんどで
す。歯石はお口の中の成分で、沈着してきてしまうもの
なので、歯科医院で定期的に除去することをおすすめし
ます。
お口の中の汚れをきちんと除去することで、虫歯予防は
もちろんですが、歯周病予防、口臭予防にも繋がります。
当院では、正しい歯磨きの方法をお伝えすることや、一
緒に練習もできますので、クリーニングの際などにお気
軽にご相談下さい。